頭痛と言ってもその種類は様々です。
頭痛には片頭痛、筋緊張性頭痛、後頭神経痛など様々ありますが、それらの8~9割は特に心配のいらない機能的なものです。不自然な姿勢を続けたり、パソコンを長時間使用することによる目の疲れ、精神的なストレスなど、さまざまな原因が考えられます。しかし中には脳出血やくも膜下出血、脳挫傷、脳腫瘍、髄膜炎や脳炎など、一刻を争う危険なものもあります。たかが頭痛と思わず、心配な時は専門医の診察をまず受けてみましょう。
ところで、頭痛の原因の中で見落とされがちなのが、背骨です。長年頑固な頭痛に悩まされ、さまざま医療機関で治療を受けたけれど改善せず、私のオフィスに来院される方がいらっしゃいます。診察により背骨の「ゆがみ」や「動きの悪さ」が見つかり、これをカイロ治療でアジャストすることにより、徐々に頭痛から解放され、大変喜ばれるケースが多々あります。
頭痛の際は、まず保険診療で脳内の異常がないかのチェック、その後、整形外科的なアプローチを含めたさまざま治療、それでも改善しない場合はカイロ治療を試してみる価値があると考えます。
症例① 35歳 女性
2ヶ月前から仰向けで寝ているのが辛く、数日前より腰痛が起こりました。以前より頭痛はありましたが、腰痛と同時期にひどくなりだしたとのことでした。レントゲン所見: 脊柱側弯を認め、Cobb角 30度 診察すると中学生の時、検診で指摘されるが、今まで痛みはなかったとのこと。肩甲部の右凸側弯部、胸腰部の左凸側弯部及び右仙腸関節の動きが悪く、頚部~腰部までの筋肉が硬く緊張状態でした。治療としては、骨盤矯正、脊柱側弯部のアジャストを行い、各関節の動きを正常なレベルに戻しました。治療2回目で頭痛が楽になり、4回目には腰痛、就寝時の痛みも気にならなくなりましたが、今現在も背骨のメンテナンスとして、1、2ヶ月ごとに一度位来院しています。
症例② 50歳 女性
以前から肩こり症で、しばしばマッサージにかかっていましたが、最近になり頭痛も起こり始めました。レントゲン所見:頸椎の生理的前弯の消失(いわゆるstraight neck) 診察すると、頚部から肩にかけて、僧帽筋の緊張が強く、頚椎の可動域制限も著明でした。なお、胸椎、腰椎、骨盤の動きは正常でしたが、頸椎の1~5椎間にかけて、動きの悪い部分を確認しました。治療としては、とりわけ関節の動きが悪かった2/3、3/4椎間関節をアジャストし、正常なレベルに戻しました。治療直後から頭が軽く感じられ、首の動きもスムーズになり、2回目の治療で頭痛が解消し、5回目に肩こりも改善しました。